書籍書評

希望を知るという希望

2020年1月16日

読了

貧困女子のリアル

ISBN978-4-09-825263-3

沢木 文

小学館

メディアでも度々取り上げられる「貧困女子」

なんとなくのイメージが出来上がっていたので

もう少し深く知りたい

例えば、どのように生き抜いているのか

将来への希望はあるのか

しかし、こちらの本はよくある「貧困女子」ではありませんでした。

「おわりに」でも書いてありますが、

本書に登場する女性たちは、本人の性格や努力不足など“自己責任”の比重が大きく感じられようが、社会構造の問題があることも忘れてはいけない。

派遣社員の雇い止めなどにより、本人ではどうすることも出来ないこともある

としながらも、プライドや欲、見栄などにより貧困となった女性が多数登場する

“普通”の「貧困女子」を期待していたので少し肩透かし

なんとなくで読んでいたが、「貧困女子」へとなっていった過程を

知っていくと「普通」だった人たち(自分を含め)が

「貧困女子(男子)」になる可能性があると思いました。

誰もが持っている「プライド」「欲」「見栄」がトリガーとなり

「貧困」へ一気に進んでいく。

しかし、「貧困」を乗り越えた女性も紹介されていて

借金の取り立てがヤバくなって、時給が高いビジネス街のファミレスでバイトをしたことがあったんです。ある時、ホールのテーブルはぐちゃぐちゃ、厨房は注文過多でパンク、洗い場は汚れた食器だらけなのに、スタッフは3人。お客様は列を作っていてイライラしている。絶体絶命だったのですが、店長が、“よし、皿を1枚洗えば、きっと状況はよくなる”と、自らお皿を洗ったんです。すると、仕事が回り始めたんですよ。それってすごいな、と思いました。ホントにヤバいときは、目の前ですぐに出来ることをやればいいんだと、小さなことでいいんだと。その積み重ねで、借金生活を脱出できたように感じます。

「小さなこと」を積み重ねで解決をしていく。

これはビジスネ書であると思いました。

著者がインタビュー中に「貧困女子」へ改善方法を提案するも

却下をされ続け、イライラしていたが最後に改善へと向かう。

※インタビュー時はすでに借金は返済済み

様々な場面で、途方に暮れた際にはこちらを思い出したいです。

また、ブラック企業の経営者が社員へ長時間労働を強要することについて

夢の続きに待っている、恐ろしく素晴らしい苦労

使う相手と場所は間違っていると思いますが、

ついつい、サボってしまう自分へ何度も言い聞かせたい言葉です。

変わる事は難しいが

変わるためにやる事は思っているよりも簡単なのかもしれない

タイトルが「貧困女子のリアル」であるが、

イメージとかけ離れていたため「リアル」と感じられませんでした。

※勉強不足や1つのイメージに囚われていたため

こちらの書籍は先程紹介しましたように

ビジネスにおいても、生きていくためにも

必要なことを教えてくれました。

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especials

サラリーマンはアート制作が可能なのか? 結論は可能。 悩んでいる暇は無い。 カラダとアタマとココロを動かせ! 不可能を可能にしろ! キネティック・アートを制作しているespecials(エスペシャルズ)です。 キネティック・アート(kinetic art)とは、動く美術作品または動くように見える美術作品のこと。 ただし、映画やアニメーションなどは、通常はキネティック・アートとはされない。カイネティック・アートと呼ばれることもある。 Wikipediaより 素材には、スチレンボード、PDF、プラレールを使用しています。 サイズは、今のシリーズは制作中の作品が4作品目となりますが大きくなっています。

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